この春におすすめの一冊!

2026-02-21

今回は、一冊の小説をご紹介します。三秋縋の『三日間の幸福』という一冊です。

本作は、「寿命を買い取ってもらう」という独特の設定から始まります。主人公のクスノキは、将来に大きな希望を持てず、自分の人生に価値を見いだせずにいる青年です。寿命の“査定”を受けた結果、彼の一年あたりの価格は一万円という低い評価でした。自分の未来を突きつけられ、人生に悲観してしまった彼は、迷いながらも寿命の大半を売り、わずかな時間だけを残す決断をします。

残された時間の中で幸せをつかもうとしますが、現実は思うようには進みません。焦りや後悔、自分自身への失望と向き合う中で、クスノキは少しずつ、自らの価値観や生き方を問い直していきます。

その傍らで彼を見守るのが、“監視員”のミヤギです。彼女は一定の距離を保ちながら、淡々と役目を果たします。感情を大きく表に出すことはありませんが、クスノキの変化を静かに見届ける存在として、物語に落ち着いた深みを与えています。

派手な展開や劇的な出来事を描く作品ではありません。しかし、「人生の価値とは何か」「限られた時間をどう使うのか」というテーマを、静かに、そして丁寧に問いかけてくる一冊です。最後には涙してしまうような結末が待っていると思います!

出会いと別れの季節である今だからこそ、これからの生き方や時間の使い方を見つめ直すきっかけとして、手に取ってみる価値のある作品だと感じました。おすすめの一冊ですので良ければ読んでみてください。

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