
「授業では理解できたのに、テストになると解けない……」
「何度も問題を解いているのに、なかなか点数が上がらない……」
そんな悩みを抱えていませんか?
数学でつまずくポイントは人によってさまざまです。
解説を読めば理解できるのに自力では解けない人もいれば、一度覚えた解き方を忘れてしまう人、計算ミスで点数を落としてしまう人もいます。
だからこそ大切なのは、自分がどこでつまずいているのかを知り、それに合わせて勉強のやり方を工夫すること。
この記事では、数学でよくあるつまずきを6つのタイプに分け、それぞれにおすすめの勉強法を紹介します。
まずは簡単なチェックリストで、自分に当てはまるタイプを探してみましょう!
まずはチェック! あなたは数学のどこでつまずくタイプ?
6つの質問でつまずきをチェック!
次の項目を読んで、自分に当てはまるものにチェックを入れてみましょう。
□ ① 理解があいまいタイプ
公式や解き方は覚えているけれど、「なぜそうなるの?」と聞かれるとうまく説明できない。
□ ② 解説を見ればわかるタイプ
先生の説明や問題集の解説を読むと理解できるのに、何も見ずに解こうとすると手が止まってしまう。
□ ③ 忘れやすいタイプ
授業で習った直後は解けるのに、数日たつと解き方を忘れてしまう。
□ ④ 問題が混ざると迷うタイプ
単元ごとの練習問題は解けるのに、テストのようにいろいろな問題が出ると、どの公式や解き方を使えばいいのかわからなくなる。
□ ⑤ 文章題・図形が苦手なタイプ
計算問題は解けても、文章題や図形問題になると、どの情報を使って式を立てればいいのか迷ってしまう。
□ ⑥ うっかりミスタイプ
解き方はわかっているのに、符号の間違いや計算ミス、問題文の読み違いなどで点数を落としてしまう。
チェック結果から自分の勉強法を見つけよう!
さて、あなたはいくつ当てはまりましたか?
チェックした項目が、今の勉強法を見直すヒントになります。
複数の項目に当てはまっても大丈夫です。単元によってつまずくポイントが違うこともあります。
また、このチェックは性格や数学の能力を判定するものではありません。よくあるつまずきを整理するためのものです。
大切なのは、今の自分に必要な練習を見つけること。
それでは、それぞれにおすすめの勉強法を見ていきましょう!
タイプ別! 数学のおすすめ勉強法6選
①「理解があいまいタイプ」は、解き方の理由を言葉にしてみよう!
公式や解き方を覚えていても、「なぜそうなるの?」と聞かれるとうまく説明できない。
そんな人は、答えを出すまでの手順だけでなく、その理由を説明する練習を取り入れてみましょう。
例えば、次の一次方程式を考えてみます。
3x+5=17
この式を解くとき、
3x=17-5
3x=12
x=4
となります。
ここで注目したいのが、「+5」を右辺に移すと「−5」になる部分です。
「移項すると符号が変わる」と覚えている人は多いでしょう。
でも、なぜ符号が変わるのか説明できますか?
実は、これは等式の両辺から同じ数を引いているからです。
3x+5-5=17-5
両辺から5を引くことで、左辺の「+5」がなくなります。
つまり、「移項すると符号が変わる」というルールには、きちんとした理由があるのです。
このように、解き方の理由を自分の言葉で説明する練習を「自己説明」といいます。数学の理解に役立つ可能性が研究でも示されています。
ただし、間違った考え方を覚えないように、正しい解説と照らし合わせることも大切です。
今日からできる3ステップ
ステップ1:例題を1問選ぶ
教科書や問題集から、解き方を知っている問題を選びましょう。
ステップ2:途中式の理由を説明する
「なぜここで割るの?」「なぜこの公式を使うの?」と自分に質問し、声に出したりノートに書いたりして説明します。
ステップ3:似た問題を自力で解く
数字や条件が少し変わった問題に挑戦し、同じ考え方を使えるか確かめましょう。
うまく説明できなかった部分は、教科書や解説に戻って確認すれば大丈夫です。
「解き方を覚える」から「理由までわかる」へ。
いつもの問題演習に、少しだけ「なぜ?」を加えてみましょう!
②「解説を見ればわかるタイプ」は、解説を閉じて自力で解いてみよう!
解説を読んで「なるほど!」と思っても、いざ一人で解こうとすると手が止まってしまう。
そんな人におすすめなのは、解説を読んだあとに、何も見ずにもう一度解いてみることです。
解説には、使う公式や計算の順番がすでに書かれています。そのため、読んで理解できても、自分で解けるとは限りません。
そこで取り入れたいのが、「例題を見る → ヒントを減らす → 自力で解く」という練習方法です。
例えば、次の連立方程式を考えてみましょう。
2x+y=11 /
x+y=7
解説を読むと、「上の式から下の式を引けば、y が消えるんだ!」と理解できるかもしれません。
実際に計算すると、
(2x+y)-(x+y)=11-7
x=4
これを x+y=7 に代入すると、
y=3
となります。
しかし、次に似た問題を見たとき、「どちらの文字を消せばいいの?」と迷ってしまうなら、自力で解く練習が必要です。
解き方が示された例題を使う学習方法は、特に学習内容に慣れていない段階で役立つことが研究でも報告されています。
今日からできる3ステップ
ステップ1:解説を見ながら例題を確認する
使う公式や計算の順番を確認し、「どうしてこの式を引くのか」などの理由にも注目しましょう。
ステップ2:解説を閉じて解き直す
同じ問題を白紙から解いてみます。途中で手が止まったら、必要な部分だけ解説を確認し、再び自分で考えましょう。
ステップ3:数字を変えた類題に挑戦する
同じ解き方を使う別の問題を解き、答えと途中式を確認します。
慣れてきたらヒントを見る回数を減らし、自分で考える部分を増やしていきましょう。
「わかった!」で終わらず、「自分で解けた!」まで確かめる。
このひと手間が大切です。
③「忘れやすいタイプ」は、時間を空けて解き直してみよう!
「授業で習ったときは解けたのに、テスト前には忘れている……」
そんな人におすすめなのが、一度解いた問題を、少し時間を空けてもう一度解く勉強法です。
授業の直後は解けても、数日後や数週間後には解き方を忘れてしまうことがあります。
そこで取り入れたいのが、「分散学習」という方法です。
分散学習とは、同じ内容を一度にまとめて勉強するのではなく、時間を空けて繰り返し学習すること。数学の学習に関する研究でも、一定の効果が報告されています。
例えば、一次関数の問題を10問練習するとしましょう。
一日で10問すべて解いて終わりにするのではなく、最初の日に4問、翌日に3問、さらに数日後に3問というように、練習する日を分けてみます。
こうすることで、以前学んだ解き方を思い出す機会を作れます。
今日からできる3ステップ
ステップ1:その日に習った問題を自力で解く
授業で習った内容から代表的な問題を2〜3問選び、解説を閉じて解いてみましょう。
ステップ2:翌日や数日後にもう一度解く
時間を空けて解き直し、解き方を覚えているか確認します。
ステップ3:1週間後にも解けるか確かめる
同じ解き方を使う問題に挑戦し、忘れていた問題には印をつけておきましょう。
なお、「翌日・数日後・1週間後」という復習のタイミングは一例です。必ずこの間隔で復習する必要はありません。
例えば、数学の勉強を始める最初の5分間を、以前習った内容の復習に使うのもおすすめです。
「一度解けたら終わり」ではなく、「時間がたっても解けるか」を確かめる。
復習するタイミングを工夫してみましょう!

④「問題が混ざると迷うタイプ」は、今の勉強に復習をプラスしよう!
「問題集では解けるのに、テストになると解けなくなる……」
「公式は覚えているけれど、どれを使えばいいのかわからない!」
そんな人におすすめなのが、今勉強している内容に、以前習った内容の復習を組み合わせる方法です。
普段の数学の勉強では、「今日は一次関数」「明日は図形」というように、単元ごとに問題を解くことが多いですよね。
新しい内容を覚えるときには、同じ種類の問題を繰り返し解く練習も大切です。
しかし、定期テストや実力テストでは、さまざまな単元から問題が出題されます。
そのため、「どの公式を使うのか」「どんな解き方が必要なのか」を自分で判断しなければなりません。
そこで取り入れたいのが、異なる種類の問題を組み合わせて解く「混合練習」です。
混合練習は「インターリービング」とも呼ばれ、数学の学習に関する研究でも、特定の学年や単元において効果が報告されています。
では、どのように取り入れればよいのでしょうか?
実は、特別な教材を用意する必要はありません。
いつもの数学の勉強に、以前習った単元の問題を1〜2問加えるところから始められます。
例えば、今「一次関数」を勉強しているなら、途中で以前習った「連立方程式」の問題を解いてみましょう。
また、学校のワークとは別の問題集を持っている人は、そちらから復習問題を選ぶのもおすすめです。
別の問題集では、同じ内容でも問題の出され方が異なることがあります。
ただし、別の問題集を使うだけで混合練習になるわけではありません。
大切なのは、解き方の異なる問題を組み合わせることです。
今日からできる3ステップ
ステップ1:今勉強している単元の問題を解く
学校のワークや問題集を使って、現在勉強している単元の問題を2〜3問解きましょう。
ステップ2:以前習った単元の問題を1〜2問加える
前の単元のページに戻ったり、別の問題集を使ったりして、復習問題を選びます。
ステップ3:元の単元に戻って、もう一度問題を解く
最初に勉強していた単元に戻り、別の問題を解いてみましょう。
例えば、
一次関数を3問 → 連立方程式を1問 → 一次関数を1問
という流れなら、普段の勉強にも取り入れやすくなります。
問題数や組み合わせは、理解度に合わせて調整して構いません。
ここで大切なのは、単に以前の問題を復習するだけでなく、問題に応じて解き方を選ぶことです。
慣れてきたら、単元名を隠して問題を読んだり、同じ単元の中でも解き方が異なる問題を組み合わせたりしてみましょう。
例えば、一次関数なら「2点の座標から直線の式を求める問題」と「グラフから傾きを読み取る問題」を混ぜる方法もあります。
「この単元だから、この公式を使う」ではなく、「この問題には、どの解き方が必要かな?」と考えること。
今の勉強にちょっとした復習をプラスして、さまざまな問題に対応する練習をしていきましょう!
⑤「文章題・図形が苦手なタイプ」は、問題の条件を整理してみよう!
計算問題は解けても、文章題になると何をすればいいかわからなくなってしまう。
そんな人におすすめなのが、問題文に書かれている情報を、図・表・式に整理する方法です。
文章題や図形問題では、計算する前に「何がわかっているのか」「何を求めなければならないのか」を整理することが大切です。
例えば、次の文章題を考えてみましょう。
【問題】
1本120円の鉛筆と1冊180円のノートを合わせて8個買ったところ、代金は1,140円でした。
鉛筆とノートをそれぞれ何個買ったでしょうか?
文章を読んだだけでは、どんな式を作ればいいのか迷うかもしれません。
そんなときは、いきなり式を立てようとせず、まず問題文の情報を表にまとめてみましょう。
| 鉛筆 | ノート | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 1個の値段 | 120円 | 180円 | ― |
| 個数 | x 個 |
y 個 |
8個 |
| 代金 | 120x 円 |
180y 円 |
1,140円 |
表に整理すると、2つの条件が見えてきます。
まず、鉛筆とノートの個数の合計が8個なので、
x+y=8
次に、代金の合計が1,140円なので、
120x+180y=1140
この2つの式を連立方程式として解くと、
x=5, y=3
となり、鉛筆が5本、ノートが3冊だとわかります。
このように、文章に書かれた情報を整理すると、どの数字を使って式を立てればよいのか考えやすくなります。
図形問題でも同じです。
三角形の面積を求める問題なら、底辺や高さを図に書き込みます。
角度を求める問題なら、わかっている角度を記入したり、同じ長さの辺に印をつけたりしてみましょう。
今日からできる3ステップ
ステップ1:「わかっていること」と「求めること」を探す
問題文を読み、数字や条件に線を引きましょう。
ステップ2:条件を図や表に整理する
文章題なら表を作り、図形問題なら辺の長さや角度を図に書き込みます。
ステップ3:整理した情報から式を作る
「何と何が等しいのか」「どの数を使えばよいのか」を考えながら式を立てます。解き終わったら、答えが問題文の条件に合っているかも確認しましょう。
文章題が難しいと感じたら、まずは条件を整理する練習から始めてみましょう。
「文章を読んですぐ計算する」のではなく、「条件を整理してから式を考える」。
この順番を意識して取り組んでみてくださいね!
⑥「うっかりミスタイプ」は、間違えた原因を見つけよう!
「解き方はわかっていたのに、計算ミスで減点された……」
そんな人におすすめなのが、間違えた問題を解き直すだけでなく、なぜ間違えたのかを確認することです。
数学では、符号の間違いや計算ミス、問題文の読み違いなど、さまざまな理由で失点します。
しかし、間違えた問題をすべて「ケアレスミス」で片づけてしまうと、次に何を気をつければよいのかがわかりません。
例えば、次の方程式を考えてみましょう。
3(x-2)=12
正しく計算すると、
3x-6=12
3x=18
x=6
となります。
ところが、最初の式を展開するときに、
3x-2=12
としてしまったら、答えが変わってしまいます。
これは、かっこの外にある「3」を、かっこの中の「−2」にかけ忘れたことが原因です。
このような間違いに気づいたとき、ただ正しい答えを書き直すだけではもったいありません。
「かっこの中のすべての項に数字をかける」という確認ポイントを覚えておくことが大切です。
そのために役立つのが、間違いを原因別に整理する「エラー分析」という考え方です。
例えば、数学の間違いは次のように分類できます。
| 間違いの種類 | 具体例 | 次に取り組むこと |
|---|---|---|
| 計算ミス | 符号を間違えた、かけ算を忘れた | 間違えた計算手順を確認する |
| 問題文の読み違い | 求めるものを勘違いした | 問題文の重要な部分に線を引く |
| 式の立て方の間違い | 文章題で数量の関係を間違えた | 条件を図や表に整理する |
| 公式・解き方の理解不足 | 使う公式を間違えた | 教科書の例題に戻って確認する |
このように整理すると、自分がどんなところで間違えやすいのかが見えてきます。
今日からできる3ステップ
ステップ1:どこで間違えたかを探す
自分の途中式と解説を比べ、最初に間違えた部分を確認しましょう。
ステップ2:間違えた原因を一言でメモする
「符号ミス」「公式を忘れた」「問題文の読み違い」など、短い言葉で記録します。
ステップ3:同じ種類の問題をもう一度解く
間違えた原因を意識しながら、似た問題を2〜3問解いてみましょう。
ここで大切なのは、1回の間違いだけで「自分は計算が苦手」と決めつけないことです。
たまたま間違えただけなのか、同じところで何度もつまずいているのかを確認しましょう。
例えば、符号の間違いが気になったら、同じように符号を扱う問題を3〜5問ほど解いてみます。
何度も間違えるなら、計算のルールをもう一度確認しましょう。
また、テスト前には、これまでに記録した間違いを見返すのもおすすめです。
「またミスしちゃった!」で終わらせず、「どうして間違えたんだろう?」と考えること。
間違いを次の練習に活かしていきましょう!
今日から実践! 数学の勉強を変える5つのステップ

ここまで紹介した勉強法は、普段の数学の勉強に組み合わせて取り入れることもできます。
基本となる5つのステップを確認しましょう。
ステップ① まずは例題を1問、解き方と理由を確認する
教科書や問題集の例題を選び、計算の順番だけでなく、「なぜその公式を使うのか」も確認しましょう。
ステップ② 解説を閉じて、自分の力で解き直す
解説を読んだら、何も見ずにもう一度解いてみます。慣れてきたら、数字や条件が違う類題にも挑戦しましょう。
ステップ③ 数日後にもう一度解いてみる
翌日や数日後に以前の問題を解き直し、時間がたっても解けるか確認します。
ステップ④ 慣れたら違う単元の問題も混ぜてみる
今勉強している単元に、以前習った単元の問題を加えましょう。どの解き方を使うか、自分で判断することがポイントです。
ステップ⑤ 間違えた原因を記録し、次の練習に活かす
間違えた問題には「符号ミス」「公式を忘れた」など、原因を一言メモしておきましょう。
5つのステップを毎回すべて実践する必要はありません。
「解説を見ないと解けない」という人ならステップ②から、「すぐに忘れてしまう」という人ならステップ③から始めてみましょう。
自分のつまずきに合わせて、今の勉強に必要な工夫を取り入れることが大切です。
自分のつまずきに合わせて、数学の勉強法を見直そう!
ここまで、数学の6つのつまずきタイプと、それぞれにおすすめの勉強法を紹介してきました。
自分に当てはまるタイプは見つかりましたか?
チェック結果は変わっても大丈夫!
例えば、方程式では「解説を見ればわかるタイプ」でも、図形では「条件整理が苦手なタイプ」ということもあります。
また、勉強を進めるうちに、つまずくポイントが変わることもあるでしょう。
そのため、一度チェックしたタイプにこだわる必要はありません。
そのときの自分に必要な勉強法を取り入れてみましょう。
一人で解決できないときは、塾で一緒に確認しよう!
「自分がどこでつまずいているのかわからない」
「いろいろ試してみたけれど、なかなか解けるようにならない」
そんなときは、学校の先生や塾の先生に相談してみましょう。
数学では、答えが間違っていても、その原因によって必要な練習が変わります。
先生に途中式や考え方を見てもらうことで、自分では気づかなかったつまずきが見つかることもあります。
塾では、一人ひとりの理解度や間違え方を確認しながら、必要な学習内容や練習方法を一緒に考えることができます。
「数学が苦手だから、もっと問題を解かなきゃ!」と思ったら、まずは今の勉強法を振り返ってみてください。
自分のつまずきに気づくことが、数学の勉強を見直す第一歩です。
今日からできることを一つ選んで、さっそく取り組んでみましょう!